【12/22加筆修正】これから子ども支援を始める心理職の方々へお勧めする本15選

こんにちは、きょんです!

先日第4回公認心理師資格試験の合格発表がありました。結果は悲喜こもごもだったと思いますが、これから子ども支援の現場に心理職として入っていかれる方に、個人的にお勧めしたい本を15冊お勧めします!

ツイッターでつぶやいたのですが、流れてしまうのでこちらに貼り付けておこう(12/22目次をつけてリンクを貼りなおしたので記事が少し軽くなりました。私の感想も加筆)もご紹介しておきます。

 

全て日本人著者のものです。これは私が訳書が苦手なだけで他意はありません。

あと、今回は発達障害がメインの本は1以外は除いています。心理臨床や情緒発達関連の本となっています。(著者名は敬称略)

 

1,子どものための精神医学(滝川一廣

名著としか言いようがないです。発達障害を理解するのに、「認識の発達」と「関係の発達」の二軸を頭に入れて、目の前の子がどのあたりにいるかを考えることは必須でしょう。滝川先生の最終講義では二軸が三軸になっています。(そだちの科学32号)。

 

2,学校へ行く意味・休む意味: 不登校ってなんだろう?(滝川一廣

不登校支援をする方は、「そもそも不登校とはなんぞや?」ということを歴史からひも解いて学べるかと思います。学校の聖性の話とか。

 

3,少年期の心―精神療法を通してみた影(山中康裕)

ボーンセラピストと言われる山中先生の代表作。キャリアを積めば積むほど「すごい・・・」と唸ってしまいます。

 

4,遊戯法(プレイセラピィ)―子どもの心理臨床入門(飽田典子)

プレイセラピーの進展について時期別にその特徴が書かれています。もちろん事例をあげて。それから、この本では「制限」について詳しく書かれています。「子どもが制限を越えようとするところにセラピーがある」とは私のバイザーの言葉ですが、その意味でも制限について学ぶことは非常に大切です。

プレイセラピーするなら学派を問わず必読かと。

 

5,プレイセラピー入門──未来へと希望をつなぐアプローチ(丹明彦)

2019年と最近の著作ですが、すでにプレイセラピーの名著かと思います。若手心理職の方にこそ読んでほしいです。発達障害のある子たちへのプレイセラピーの意味と実際など。

6,Q&Aで学ぶ 遊戯療法と親面接の考え方・進め方(竹内健児)

 竹内先生のご著書はQ&A形式のものがいくつかあり、実践に役立つ原則が書かれています。迷った時に何度も確認させてもらえます。私も何回もお世話になっています。

こちらの記事は一般向けですが、竹内先生のご著書を元にプレイセラピーと遊びとの違いについても書いています。

educp.hatenablog.com

竹内先生のはもう1つの『Q&Aで学ぶ 心理療法の考え方・進め方』も含めて電子書籍版が出ているのもうれしいです。外出時の隙間時間にもさっと読めます。

 

7,遊戯療法の実際(河合隼雄

 私が学生の時に指導教授から「必ず読め」と言われた本です。初心の頃はケースレポートを読んでも書かれている意味が分かりませんでしたが、これは全てのケースに河合先生がコメントをされていますので、その遊戯療法での見立て、子どもの遊びの意味を河合先生がどう捉えているのかを知ることができます。巨人の見立てを学ぶべし。

 

8,遊戯療法と箱庭療法をめぐって(弘中正美)

 弘中先生のこの本も、「遊戯療法って何だろう」と途方に暮れた時に助けていただきました。箱庭の事例と解釈についても載っていて初学者にいいかも。

 

9,「キレる」はこころのSOS(原田謙)

 20年以上にわたりキレる子どもたちの診療をされてきた精神科医の先生による著作。「こういう時にはこういう関わりをする」と結構具体的に書かれている。教育・福祉関係者など「現場」にいる人におすすめ。

 

10,子どものこころ―その成り立ちをたどる(小倉清)

小倉先生は生きる伝説の人だと思います。目の前の子どもの年齢に瞬時に戻れる治療者。誕生から乳幼児期、小・中・高校にかけての子どもの体験世界が描かれています。ピアジェとかの認知発達じゃないですよ。体験世界です。この本を読めば、子どもたちがどの年齢でどんな体験をしているのかを知ることができます。

 

11,もっと臨床がうまくなりたい──ふつうの精神科医がシステムズアプローチと解決志向ブリーフセラピーを学ぶ(宋大光) 

子ども支援のみの内容ではないけれど、自分の面接がうまくいかない時に励まされました。著者と東豊先生、黒沢幸子先生とのSVが対話形式で書かれています。

 

12、小児心身医療の実践 (冨田和巳)

心身症の子どもは多いですが、そういう時の支援・面接について、症状別(IBS、嘔吐症、夜尿症等)に具体的に書かれています。身体症状を象徴解釈として捉えるのみならず、具体的な対応についても書かれているので、スクールカウンセラーなどの現場で働く人にも役立つのではないでしょうか。

 

13、プレイセラピーへの手びき  関係の綾をどう読みとるか(田中千穂子)

 

田中先生、先日引退されましたが、どの本も全て読むべし!プレイセラピーセラピストが何をどう感じ考えて判断するのか事例に即して細やかに書かれています。「訓練された主観性」です。 

14,小学生の生活とこころの発達(心理科学研究会) 

これから小学生と関わることになる方にはお勧め。スクールカウンセラーとかにもお勧めです。「学年ごとに」生活と心がどう発達していくかが書かれています。2009年の本だけれど今も使えると思います。 

 

15,学校で知っておきたい精神医学ハンドブック(高宮静男)

すいません、これは今日本屋で立ち読みしてまだ買えていないのですが、現場に一冊あると役立ちそうです。疾患ごとに事例と原則的な対応、そしてすべきではない対応がコンパクトに載っています。

 

twitterでは引き続きつぶやいていく予定です!

お読みいただきありがとうございました!

 

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